衆院選挙で大敗した中道改革連合は13日代表選挙を行い、立憲民主党出身の小川淳也氏が同じ立憲民主党出身の階猛氏を抑えて、新たな代表に選出された。
新代表就任の記者会見で小川氏は「大事なことは、国民生活の安定と将来への見通しを提供することだ。野党第1党としてこうした取り組みを通じて、国民の信頼と期待を高めていきたい」とのべ、党の再建と野党第1党としての役割に全力を上げる考えを表明した。
また、小川代表は党役員人事について「週明けぐらいから本格的に始動できるよう週末によく考えたい、女性や若手の登用、党内融和も含めトータルで有効に機能する体制でなければならない」とのべ、週明けに新体制を発足させる考えだ。
立憲民主党と公明党の衆議院議員が結成した中道改革連合は、選挙前の勢力172人から3分の1以下の49人まで激減した。新代表に選出されたものの、取り組むべき課題・難題は多く、茨の道が待ち受けている。
小川氏は自治省(現総務省)出身の54歳。当選8回で、代表選に立候補した経験があるほか、野田代表の下で幹事長を務めるなど民主党第3世代のリーダーの1人だ。党の重鎮・主要幹部が軒並み落選した中で、高市首相率いる巨大与党にどのように立ち向かおうをしているのか、探ってみた。
党内融和や参院・地方組織の合流は
衆院選挙で大敗した中道改革連合が直面している問題の1つが、党内融和の問題だ。党の勢力が49人に激減しただけでなく、その内訳が公明党出身者は比例代表に回り、候補者名簿の上位に掲載されたことから28人全員が当選した。
これに対し立憲民主党出身で、小選挙区で議席を失った前議員は比例復活の道が狭まり、当選者は21人に止まった。立民関係者の間では「公明党に譲りすぎだ」などと不満が強く、不協和音が目立つ。
また、中道の前執行部は党のあり方について衆院議員に続いて参院議員と地方組織も合流する方針で一致していたが、参院側や地方組織には慎重な意見が根強くある。
参院側は既に来週18日に召集される特別国会では、立憲民主党と公明党はそれぞれ別の会派のままで臨むことで合意した。地方組織も長年、自民党と連立を組んでいた公明と、立民並びに前身の民主党とは対立関係にあったことから、合流には戸惑いや慎重論が強いとされる。
小川代表は記者会見で、比例代表の候補者順位については「全ての人が対等、平等の扱いになるよう党運営で考えていく」と表明した。
また、参院議員や地方組織の合流については「新党結成は私自身も驚天動地の思いだった。地方議員、参議院議員、それに有権者も戸惑ったと思う。一方、新党を決断した方々の意図や将来展望もあったと思うので、経緯なども確認して判断したい」とのべ、丁寧で慎重に結論を出したいとの考えを示した。
党の合流や再建をめぐっては、党の新体制を発足させた後、国会などでの活動も見ながら慎重に判断するものとみられ、党再建への道筋は描き切れていないようにみえる。おそらく特別国会を終えて、党内外の動きをみたうえで最終的に判断するものとみられる。
政権へチェック機能は果たせるか
衆院選挙後の国会の新しい勢力は自民党が316人、維新36人の総勢352人という巨大与党が誕生したのに対し、野党は中道が49人、国民民主党28人、参政党15人、共産党4人などと続く。「巨大与党と多弱野党」の再来だ。
中道は野党第1党の地位を辛うじて保っているが、内閣不信任案を単独で提出できる51人を割り込んでいる。今の選挙制度になった1996年以降をみると、最も小さな野党第1党ということになる。
国民の側には、強力な政権に問題解決を期待する人たちがいる一方、政権が暴走した場合、ブレーキをかけることができるのか不安視する人たちも多いようにみえる。野党第1党には、政権のチェック機能を中心になって果たしてほしいと期待している国民が多いのではないか。
小川代表は中道の役割として、政権の監視機能が重要な役割であることを強調するとともに、将来のあるべき社会像を提起して、政権交代ができる政治をめざしていく考えを明らかにした。
こうした考えは国民の多くと一致するものだと考える。問題は、本当にチェック機能を果たせるのかどうかだ。
このため、週明けに決まる中道の新執行部がどのような顔ぶれになるのか、党内の立民系と公明系の融和が図れるのかどうかがポイントになる。
また、最も問われるのは18日から始まる特別国会で、論戦を通じて高市政権とどこまで対峙できるかだろう。世論調査では高市内閣を支持する人が高い割合に達しているが、政権が新たに打ち出す政策を全面的に支持しているわけではない。
食料品の消費税率ゼロの公約は実行するのかどうか、円安や財政規律にどのように取り組むのか、防衛力の抜本的強化とその財源をどのように確保するのか、高市首相は選挙戦ではほとんど説明をしなかった。
また、選挙後の記者会見で高市首相は、インテリジェンス機能の強化として国家情報局の創設や憲法改正に意欲を示したが、具体的な内容については明らかにしていない。
このため、特別国会では高市政権がこうした内外の主要課題について、具体的な中身と時期を明らかにして議論を深める必要がある。野党側も対案を示して、真正面から論争に挑んでもらいたい。
こうした与野党の本格的な論争ができるかどうか、野党第1党の役割は大きい。一方、私たち国民も選挙が終わった後、自らの選択がどのような結果になったのか、与野党の対応に関心を持つと同時に監視していく必要があるのではないか。(了)
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