“小泉・高市両氏先行、波乱はあるか”自民総裁選

石破首相の後任を選ぶ自民党総裁選挙は22日告示され、10月4日の投開票に向けて選挙戦が繰り広げられる。22日午前自民党本部で立候補の受け付けが行われ、茂木前幹事長(69)、小林元経済安全保障相(50)、林官房長官(64)、高市元経済安全保障相(64)、小泉農水相(44)の5人の戦いになる見通しだ。

総裁選の主な日程は◇22日午後に各候補の所見発表演説会が行われた後、◇23日に共同記者会見、◇24日に日本記者クラブ主催の候補者討論などのほか、◇東京、名古屋、大阪の3か所で地方演説会が行われる。◇党員・党友の投票は10月3日に締め切られた後、◇4日に国会議員の投票結果と合わせて開票される。

石破首相の退陣表明から既に2週間が経過し、ようやく選挙戦が始まるが、選挙情勢はどのようになっているのか。また、今回の選挙では何が問われているのか、探ってみたい。

選挙情勢、高市・小泉両氏先行の展開か

さっそく、選挙情勢から見ていきたい。メデイアの報道では世論調査を基にさまざまな見方が示されている。共同通信の世論調査(9月11、12両日)によると「次の総裁にふさわしい人」として、高市氏28.0%、小泉氏22.5%、林氏11.4%、茂木氏6.1%、小林氏3.6%などと報じられている。

読売新聞の世論調査(9月13、14両日)では、高市氏が29%がトップで、小泉氏25%、茂木氏7%、林氏6%、小林氏3%。自民党支持層に限ると小泉氏が33%とトップで、続いて高市氏28%、林氏8%、茂木氏6%、小林氏5%と続く。

こうした世論調査は全国の国民が対象で、自民党員(今回は91万人)とは異なるので、当然のことながら自民党員の投票予測とはならない。正確な調査となると党員対象の調査が必要で、今後メデイアの中で党員調査が実施されれば有力な判断材料になる。

党員調査のデータがないので、自民党の議員や関係者の取材にならざるをえないが、国会議員の動向についても麻生派を除いて派閥が解散されているので、従来のような派閥を通じた情勢把握は困難だ。さまざまな選挙結果の見方が飛び交っているが、選挙の予測は何が根拠になっているかの見極めが重要だ。

選挙情勢は自民党議員や党員の話を集めて判断するのが基本になる。ここまでの情報を総合すると「小泉氏と高市氏の2人が先行、これをベテランの林氏と茂木氏、中堅の小林氏が追う展開」との見方が有力だ。

小泉氏と高市氏を上位に予測するのは、第1回投票では党員票の比重が大きいため、人気の高い両氏が優位に立つとみるからだ。また、議員票については各候補とも去年の総裁選に立候補しており、ある程度の予測が可能だからだ。

但し、去年の総裁選では当初、「党員投票では上位間違いなし」とみられた小泉氏がふたを開けると3位に沈んだ。高市氏も党員投票ではトップに立ったが、議員票では小泉氏を下回り、決選投票では石破氏の逆転を許す結果になった。

今回も第1回投票で過半数を得た候補がおらず、決選投票になった場合、2位までに入るのが重要なポイントになる。「小泉氏と高市氏」との見方と、「ベテランの林氏が2位に食い込み、勝者が変わる波乱も起きうる」との見方をする党関係者もいる。

選挙情勢については、態度を決めていないという議員や党員もおり、流動的な要素が残っている。波乱が起きるケースとしては、候補者同士の討論やテレビ出演などでの失言をはじめ、個別の政策をめぐって失速することもある。このため、まずは各候補の主張や論戦の模様を注意深く見ていく必要がある。

 中長期の目標・進路を示せるか

今回の総裁選挙の特徴は「自民党が結党以来初めて衆参両院ともに過半数割れ」という危機的状況の中で行われる点にある。ここで国民の信頼を失えば、政権政党の座から転落する可能性があり、再生の道を見いだせるかが問われている。

立候補を表明した5人は既に記者会見で、自ら訴える主要政策を明らかにしている。主な内容を見てみると◇茂木前幹事長「地方自治体が自由に使える数兆円規模の交付金」、◇小林元経済安保相「期限や所得制限を設けた定率減税」。

◇林官房長官「1%程度の実質賃金上昇の定着」、◇高市元経済安保相「大胆な危機管理投資と成長投資」、◇小泉農水相「2030年までに平均賃金100万円増」などを打ち出した。

各候補とも当面の物価高対策や、国民受けのする分配政策が中心だ。当面の物価高対策は必要だが、同時に国民の多くは、内外情勢が激動する中で、将来社会の姿や目標を明確に打ち出すことを期待しているのではないか。

そうした観点からすると各候補の政策は目先の対応が目立ち、中長期の展望に基づいた政策は極めて乏しい。これから始まる候補者間の議論では、次のような点を明らかにしてもらいたい。

第1は「将来社会の目標と構想」で、何を最優先に取り組むのか。超少子高齢化時代への対応をはじめ、厳しい財政状況の中で、社会保障制度をどのように維持していくのか。

第2は経済政策について、分配に必要な「経済成長はどのような方法で、いつまでを目標に実現をめざすのか」を明らかにしてもらいたい。2000年以降、これまで日本の実質経済成長率は0.7%で、1%にも達していない。

第3は、「外交・安全保障の進路」をどのように考えているのか。「防衛力整備」について、重点を置く分野と必要な財源をどのよう考えているのか。また、トランプ大統領との間で「日米関係」をどのように運営していくのか、外交・安全保障戦略を語ってもらいたい。

第4は「政治とカネの問題」だ。衆院に続いて参院でも大敗した背景には、旧派閥の裏金問題が底流にあるとの指摘は多い。「解党的出直し」を掲げるが、「政治とカネの問題」に決着をつける覚悟はあるのかどうか。

このほか、「野党との連携」も問題になるが、衆参両院で自民党は過半数を割り込んでおり、主導権は野党の方にある。自民党は、まずは自らの基本方針と政策を明確にし、国民の信頼と共感を得られるかが問われていると考える。

今回の自民党総裁選挙は、新総裁に誰が選出されるのかいう点と、長期政権を担ってきた自民党が再生の手掛かりをつかむのか、それとも政権から遠ざかることになるのかが焦点だ。自民党はどこに向かうのか、総裁選での議論のゆくえを注視したい。(了)

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自民総裁選の見方・読み方  ”政権与党 危機のゆくえ”

石破首相の後任を選ぶ自民党の総裁選挙は、党員投票も含めた「フルスペック方式」で、「9月22日告示、10月4日投開票」の日程で行われることが決まった。

茂木敏充・前幹事長が10日に立候補することを正式に表明したのに続いて、11日には小林鷹之・元経済安全保障担当相が立候補意向を明らかにした。林芳正官房長官や、高市早苗・前経済安全保障担当相も立候補の意向を固めており、小泉進次郎・農水相も立候補するとみられる。いずれも去年の総裁選に立候補した顔ぶれだ。

自民党の総裁選挙はその時々の政治状況などを反映して、選挙の仕組みもたびたび変わった。私自身の経験を振り返っても総裁選を最初に取材したのは、駆け出しの政治記者時代の昭和53年・1978年だった。当時の福田赳夫首相に対し、大平正芳幹事長らが挑戦した。

当時はロッキード事件で田中角栄元首相が逮捕され、党改革の一環として今の党員投票につながる「党員参加の予備選挙」が初めて実施された。田中派の支援を受けた大平氏が勝利を治めたが、その田中派の選挙を指揮した後藤田正晴氏(後に中曽根内閣で官房長官などを歴任)を取材し、激烈な戦いの一端を知ることができた。

話を戻して、このように連綿と続いてきた総裁選だが、これまでと決定的に異なるのは、有権者の支持離れが進み、衆参ともに過半数割れに転落した中で行われるという点だ。一言でいえば「党の存亡がかかった総裁選」ということになる。

国民としては、誰が勝つのかに当然関心はあるが、同時に長期に政権を担ってきた自民党はどこに向かうのか、日本の政治は安定するのかどうかという点だろう。そこで、今回の総裁選はどこを注目してみていくとわかりやすいのか、総裁選の見方・読み方を探ってみたい。

揺らぐ「国民政党」、基本政策は明確か

石破政権と自民党は去年の衆院選挙に続いて、今年夏の参院選挙でも大敗を喫し、衆院に続いて参院でも与党過半数割れに追い込まれた。こうした選挙結果を受けて行われる今回の総裁選挙では、党勢の回復につながる取り組みができるかどうかが焦点になる。

自民党がまとめた参院選の総括の報告書では敗因として「物価高対策が国民に刺さらず、自民党らしい争点設定が出来なかったこと」や、「政治とカネを巡る不祥事で信頼を喪失した」ことを挙げた。

加えて「長年わが党を支えてきた保守層の一部にも流失が生じたこと」や「自民党は左傾化しているなどの疑念も一部世論に生まれ、他党へ流失することになった」と分析している。そのうえで「解党的出直し」に取り組み、「真の国民政党」に生まれ変わると強調している。

この「解党的出直し」をめぐって総裁選では、具体的な取り組み方が論点になる。候補者の中からは「石破政権の政策はリベラル色が強すぎた」などとして、選択的夫婦別姓や外国人の不動産取得問題などで保守的な路線を強める意見が出されることが予想される。

一方、候補者の中には「自民党は保守層を中心に、無党派層など幅広い層の支持獲得をめざしてきており、これまでの路線を変えるべきではない」といった主張が出されることが予想され、党の路線をめぐる議論が注目される。

こうした党の路線に関連して、参政党が「日本人ファースト」、国民民主党が「手取りを増やす夏」などの分かりやすいキャッチフレーズで有権者を引きつけたのに対し、自民党は何をめざすのか明確でなく、発信力が極めて弱かったとする指摘が党内からも出されている。

また、国民からは「バブル崩壊後、賃金は横ばいのままで自民党の経済政策は失敗したのではないか」、「これからの経済・財政政策の内容や、将来社会のビジョンや構想も明らかでない」といった声が聞かれ、こうした声にどのように応えるのか。

さらに、トランプ政権への対応をはじめ、中国、韓国などとの近隣外交、今後の防衛力整備の進めなどについても、各候補がどこまで踏み込んだ見解を示すことができるかも問われている。

 連立政権の枠組み、野党との連携は

衆参両院ともに過半数割れに追い込まれた自民党は、予算案や法案を国会に提出しても野党側の協力が得られなければ、一本も成立させることはできない。このため、こうした過半数割れの状況をどのように打開するのかが焦点になる。

これまで石破政権がとってきたように政策ごとに野党と連携する「部分連合」の方法を続けるのか。それとも、今の自公連立政権の枠組みに野党の協力を求め、枠組みの拡大を図るという方法もある。

こうした方法のどちらを選択するのか。また枠組みを拡大する場合、維新や国民民主、立憲民主のどの党と連携するのか、実現可能性はどの程度あるのかも議論になる見通しだ。

政治とカネ、党の体質改善はできるか

総裁選の注目点として国民の多くは、自民党の宿痾として「政治とカネの問題」にどこまで本気で取り組むのかを見極めようとしているようにみえる。

党の参院選総括の報告書でも「不記載の慣行がなぜ再開されたのかなど、この問題は国民の信頼を損なう大きな要因になり続けている」「この問題が引き続き自民党に対する不信の底流となっていることを厳しく自覚し、猛省をしなければならない」と指摘している。

このように「不信の底流」と認識しているのだが、「政治とカネの問題」に踏み込んだ対応策は示されていない。総裁選に立候補するリーダーは、党の体質改善を含めて、どのような具体策を打ち出すのかが注目している。この1点は明確にしないと「解党的出直し」も国民から信用されないだろう。

リーダーの条件 ”側近・同志はいるか”

最後に総裁選の候補者をどのように評価するか。投票権を持つのはおよそ100万人の党員などに限られ、私たち大多数の国民には投票権はないのだが、首相に就任すれば、直接関係することになる。

政党や国のリーダーの評価をめぐっては本人の見識、主要政策、実行力の有無などが判断基準になるが、”側近や同志”と言える人がいるかどうかは、特に首相の条件としては大きな比重を占めると感じる。

例えば、冒頭に触れた田中角栄元首相には二階堂官房長官、竹下登首相には金丸幹事長や”7奉行”と呼ばれた議員、小泉純一郎首相には飯島秘書官、安倍首相には今井尚秘書官といったように側近や同志がいた。

こうした一心同体とも言える側近や、政権を支える同志がいるかどうかは政権の安定性に関わってくる。安倍元首相が持病の悪化で退陣したのが2020年夏だったが、それから5年が経過し今度で早くも5人目の総理・総裁選びになる。

今回、総裁選候補として名前が挙がっている5人に、こうした側近、同士がいるかどうかも大きなポイントだ。側近・同志といったレベルでなくても、にわか仕立てではない有能な人材を結集できているかどうかも見ていく必要がある。

ここまでみてきたように自民党は今、政権政党として存続できるのかどうか危機的状況にある。今回の総裁選で「党の路線や主要政策」、「連立の枠組みの拡大」、「政治とカネをめぐる党の体質改善」、さらには「側近・同志の存在を含めた首相を支える体制整備」がどこまでできるかが問われることになる。

新総裁の選出で日本の政治は、真っ当な政治へ一歩近づくことになるのか、それとも混迷の度を深めることになるのか、これからの総裁選の展開をしっかり見届けたい。(了)

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石破首相 辞任表明”党内窮状打開できず”

参院選での大敗を受けて自民党は、臨時の総裁選挙を行うかどうかの意思確認を8日に行うことにしていたが、石破首相は7日夕方、緊急の記者会見を開き「アメリカの関税措置を巡る対応に区切りがついた」として、首相を辞任する考えを表明した。

これによって、8日に予定していた臨時総裁選挙をめぐる国会議員や都道府県連の意思確認は行われないことになり、代わって石破首相の後任を選ぶ総裁選挙を行うことになった。

続投に強い意欲を示していた石破首相がなぜ、辞任を決断することになったのか。また、今回の事態をどのように評価するか考えてみたい。

”石破降ろし”打開できず、退陣決断へ

石破首相は7日午後6時から開いた記者会見で「自民党総裁の職を辞することとした。新総裁を選ぶ手続きを行うよう森山幹事長に伝えた」と切り出し、総理大臣を辞任する考えを明らかにした。

その理由として石破首相は「アメリカの関税措置に関する交渉に一つの区切りがついたこと」とまた、「このまま臨時の総裁選挙要求の意思確認に進んでは、党内に決定的な分断を生みかねないと考え、苦渋の決断をした」と説明した。

石破首相が辞任を決断した背景としては、こうした理由があるのも事実だろう。一方、自民党内では臨時総裁選の意思確認の状況次第で、石破首相が自ら辞任を選択するのではないかとの見方が一部にあったのも事実だ。

その国会議員や都道府県連の意思確認だが、7日の時点で自民党の国会議員のうち、臨時総裁選挙を実施すべきだとする議員は130人と全体の5割近くに達した。

全国47都道府県連では、6日までに18の都道府県連が実施を求める方針を決め、2つの県連が実施を求める方向で意見集約を進めていた。

国会議員と都道府県連代表を合わせると150人に達し、臨時総裁選実施に必要な172人に達することが確実な情勢になりつつあった。

こうした中で、党副総裁の菅元首相と小泉農水相が6日夜、首相公邸を訪れて会談した。会談の詳細は明らかではないが、菅元首相らは「党の結束が何よりも重要だ」として、意思確認の書面提出が行われる前に、石破首相が辞任するよう促したとされる。

このように石破首相が続投の方針を転換し、辞任を決断した背景には臨時総裁選が実施される可能性が大きくなったことが影響している。臨時総裁選が実施された場合、仮に石破首相が立候補しても勝算は乏しいことから、自ら身を引く決断をしたというのが実態に近いとみている。

いつまで続ける党内抗争、国民の苛立ち

それでは、これからの政治はどのように展開することになるのだろうか。冒頭に触れたように8日に予定していた国会議員と都道府県連の意思確認の手続きは中止される。

これに代わって、石破首相の後任を選ぶ総裁選挙が行われる。自民党の総裁選びには2つの方式があり、1つは「簡易型」で、国会議員と47都道府県連の各代表3人ずつが投票する方式だ。

もう1つが「フルスペック型」と呼ばれる方式で、全国105万人余りの党員・党友と、国会議員が投票する。党員が参加するため、選挙期間は12日間以上かかる。

森山幹事長は7日夜の記者会見で、石破首相の後任を選ぶ総裁選について「できるだけ党員が直接参加する形を模索することが大事だ」とのべた。自民党は早急に総裁選の方式と日程を決めたいとしているが、「フルスペック型」の場合、新しい総裁が決まるのは10月上旬頃までかかることが予想される。

こうした石破政権と自民党の対応をどのようにみるか。7月に参院選挙の結果が出てから8日で、50日・1か月半もかかっている。国民の多くは「続投か、退陣か、いつまで党内抗争を続けているのか」と苛立ちを感じているのではないか。

石破首相と自民党は、政治空白が長期化していることについて猛省する必要がある。そして、新総裁が選ばれたとしても自民党は少数与党に転じたため、新総裁が新しい首相に選出されるかどうかはわからない。

さらに、仮に自民党の新総裁が首相に選ばれたとしても補正予算案や法案は、野党の協力が得られなければ1本も成立しない。政権の枠組みの拡大や、国会運営でも野党側の協力が不可欠で、これからの政治は混迷状態が長期化することも予想される。

報道各社の世論調査をみると国民のかなりの部分は、自民党は今後も政権担当能力を維持できるのかと疑問を感じ始めているようにみえる。旧派閥の裏金問題など「政治とカネの問題」に真正面から取り組まない。物価高や日本経済再生の青写真なども一向に示されないことに失望感を抱き始めているようにみえる。

石破首相の後継総裁選びに当たって自民党は、骨太の将来像や実現に向けての具体策を打ち出せるのだろうか。また、これからの難局を乗り切っていけるようなリーダー候補は残っているのかどうか、国民は厳しい視線を自民党に注いでいる。自民党は岐路にさしかかっているのではないか。(了)

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自民臨時総裁選”実施要求に勢い”8日決着へ

自民党は参院選挙の大敗を受けて、臨時の総裁選挙を行うかどうかの党内手続きを進めているが、どのような結果になるだろうか?

「臨時の総裁選を実施すべきだ」という実施派と、参院選の敗因は石破首相個人の責任ではなく、党全体の問題だとして「実施する必要はない」とする首相支持派とが激しくぶつかっている。

これまでのところ、実施派の方に勢いがみられる。現状の分析と、どのような形で決着がつくことになるのか、探ってみた。

臨時総裁選の是非、8日意思確認・公表

自民党は2日に開いた両院議員総会で、参院選大敗を総括した報告書を了承した。これを受けて、臨時の総裁選挙を行うかどうか、その是非を問う党内手続きに入った。

党所属の国会議員295人と47都道府県連の総数の半数、172人が賛成すれば、臨時の総裁選挙を実施することなる。その国会議員の意思確認として、実施を求める議員は、8日午前10時から午後3時までに党本部に書面を持参するのを原則としている。

また、47都道府県連についても賛否を報告し、結果がこの日に公表されることになっている。臨時の総裁選の実施は初めてとなるため、実施を求める議員と、反対する議員との間で激しい駆け引きが続いている。

NHKの取材によると1日までに295人の議員のうち、およそ100人が「総裁選を実施すべきだ」としているのに対し、50人余りが「実施の必要はない」としている。「態度を決めていない」とする議員や「考えを明らかにしない」議員が140人となった。

つまり、「態度を明らかにしない議員」が全体の47%を占めていることもあって、最終的にどのような結果になるのか、情勢は混沌としているのが現状だ。

賛否めぐり攻防激化、実施派に勢いか

そこで、自民党の長老に今の情勢を尋ねてみると「賛否の主張や動きから判断すると、実施を求めている議員の側の方が熱量や運動量の面で上回っている。今後もそうした傾向が続くのではないか」として、最終的には実施派が過半数に達するとの見方を示している。

自民党内の動きを整理してみると、実施を求める議員として政府の副大臣や政務官が相次いで、実施を求めていくことを表明している。副大臣、政務官47人のうち、3日までに22人に上っているので、かなりの割合だ。

党の関係者にきくと「旧派閥の関係で働きかけているのはあまりみられない」という。「目につくのは、当選5回以下の中堅や若手議員で、当選同期の集まりや、党の部会のつながりで意見を交わすケースが多い」とされる。

中堅・若手議員の中には、態度を明らかにしていない議員が多いのも事実だ。これは仮に臨時総裁選が行われない場合、人事や選挙の公認などで冷遇されるおそれがあることが影響しているのではないかとみられる。

また、報道各社の世論調査で、石破内閣の支持率が上昇していることや、「石破首相の辞任の必要はない」とする人が、「辞任を求める」人を上回っていることも影響しているのではないかという。

一方、石破首相の続投を支持する議員としては、ベテラン議員が目立つ。石破首相を支持する理由としては「選挙の敗因は、派閥の裏金問題など党の問題の方が大きい」「世論の多くは、首相の辞任を求めていない」などを挙げる。

また、石破首相を支持する議員からは、総裁選を行うよりも衆院解散・総選挙を行うべきだとして、総裁選実施をけん制する意見も出されている。但し、衆参ともに大敗した総理・総裁が今、解散を断行するだけ力量や大義名分はあるか、否定的な見方が多いのではないか。

このように情勢は混沌としているのだが、自民党関係者に聞くと「今回の参院選総括の報告書では、石破首相(総裁)や執行部の責任問題が正面から捉えられていないことに反発する声が非常に強い」とされる。

また、「中堅・若手議員の多くは、次の衆院選挙は、連戦連敗の石破首相ではなく、新たなリーダーの下で戦いたいと考える議員が多いのではないか」と考えられる。

このように考えると長老が指摘するように、臨時総裁選の実施を求める議員や都道府県連代表が今後も増えて、過半数を上回る可能性が大きいとの見方をしている。

総裁選のケース、石破首相の辞意表明も

それでは、臨時総裁選と石破首相の進退問題は、どのような展開になるのだろうか。

▲まず、8日に行われる意思確認の結果、総裁選の実施を求める意見が総数の過半数に達しないケースがある。この場合は、当然、臨時総裁選は行われない。石破首相が続投することになる。これが、第1のケースだ。

▲第2のケースは、実施を求める議員が総数の過半数に達した場合で、総裁選が行われる。この場合、簡易型の総裁選、つまり両院議員総会で、都道府県連代表を加えて行う方式。もう一つは、フルスペック型の総裁選。党員・党友の投票と、国会議員の投票を行う方式があり、党で検討することになる。おそらく、今回は後者になるのではないか。

▲第3のケースは、8日の意思確認手続きを行わずに、その前に石破首相が辞意を表明することも想定される。石破首相は2日の両院議員総会で「しかるべき時に決断する」と語ったが、具体的な内容には触れなかった。

仮定の話だが、臨時総裁選実施の可能性が極めて高くなった場合、事実上、現総裁に対する不信任に値する。その場合、党の意思決定を行う前に、石破首相自らが退陣を表明することもありうるのではないか。

以上のように3つのケースが想定されるが、いずれにしても8日に決着がつく見通しだ。但し、長期にわたって政権を維持してきた自民党は、結党以来初めて衆参両院で過半数割れした。国民の信頼を取り戻せるのか、そのためのリーダーは存在するのかどうか、極めて厳しい前途が予想される。

★追伸(5日23時)▲石破首相は5日、トランプ米大統領が日米関税合意に基づいて大統領令に署名したことを受けて、改めて退陣を否定した。記者団が、日米交渉の終結で自身の進退に関する考えに変化はあるかと質問したのに対し、「関税対策は、(自らの)進退に関係なく、政府としてどうしてもやり遂げなければならないことだった」と答えた。また、石破首相は、今年秋に経済対策を策定する考えを示し、続投に強い意欲を示した。▲一方、鈴木法務相は5日午前、臨時の総裁選挙の実施を求める考えを表明した。石破内閣の閣僚が実施を求めるのは、鈴木法相が初めてで、石破首相にとって痛手となる。

★追伸(6日21時)▲全国の都道府県連のうち、6日までに臨時総裁選の実施を求める方針を決めたのは、北海道、青森、埼玉、東京、静岡、滋賀、奈良、愛媛、宮崎など17都道県連。実施を求める方向で意見集約を進めているのは、山形、新潟の2県連。これに対し、実施を求めない方針を決めたのは、福島、福井、岐阜、鳥取、岡山、大分、鹿児島、沖縄の8県連。(了)

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“迷路に進入”石破首相進退と自民の対応

自民党は27日、総裁選挙管理委員会を開き、臨時総裁選挙の是非を判断する手続きを決めた。臨時総裁選挙の実施を求める議員は、署名と捺印をした書面を本人が提出し、議員の名前も公表することになった。

都道府県連が実施を求める場合は、正式な機関決定をしたうえで、党本部に提出することになった。

今後は、党の参院選大敗の総括が9月2日の「両院議員総会」でまとまれば、国会議員の書面の提出は9月8日に行われる見通しで、その日のうちに都道府県連と合わせて集計が行われる。

その結果、党所属の国会議員295人と47都道府県連の総数の過半数、172に達した場合は、臨時の総裁選挙が行われる。逆に達しない場合は、臨時総裁選は行われずに石破首相が続投となる公算が大きい。

問題はこの臨時総裁選は行われることになるのかどうか、石破首相は退陣するのか、続投するのか。新聞・テレビの報道、政治評論家もあれこれ分析するが、どのような展開になるのか、さっぱりわからない。

参議院選挙の投開票から1か月余りになるが、石破首相の進退問題は「迷路」に入り込んで出口が見いだせないように見える。そこで、石破首相と政権与党の立ち位置や、今後の展開の方向性を探ってみた。

議員名公表 石破降ろし高まるハードル

まず、今回決まった臨時総裁選の是非を判断する手続きをどのようにみたらいいのかという問題がある。新たに決まった手続きを再確認しておくと、選挙の実施を求める国会議員は署名・捺印した書面を提出、氏名も公表することになった。

自民党内には「現職の総理・総裁である石破首相の進退に関わる重大な案件なので、国会議員の名前を公表するのは当然だ」という意見がある一方、名前が公表されるのであれば、臨時総裁選の要求をためらうケースが出てくるのではないかとの見方もある。

自民党議員の若手は、昔と違って執行部の指示に従う従順型が多いと言われている。このため、臨時総裁選をやるべきだと内心、考えていても黙して語らず、書面を出さない議員が出てくることが予想される。

また、報道各社の世論調査で、このところ石破内閣の支持率が上昇していることや、「石破首相は辞めるべきだ」という意見より、「辞める必要はない」という意見が上回っている結果が相次いでいることから、臨時総裁選を要求する動きは広がりをみせていないとの見方も出ている。

こうしたことから、今回の議員名の公表は「石破降ろし」の動きにとってはハードルが高まり、石破続投に有利に働くのではないかとの見方をしている。

 森山幹事長の責任問題のゆくえ

次に参院選での自民大敗を受けて森山幹事長は、参院選の総括がまとまった段階で、自らの責任を明らかにすると明言してきた。党内では、森山幹事長は辞任するのではないかと受け止められてきた。

その参院選の総括は、9月2日の両院議員総会に報告される。参院選の総括が了承されれば、森山幹事長の責任問題が再び問題になる。党内基盤が弱い石破首相にとっては、党や国会の運営、選挙対策などは森山氏に頼ってきただけに、仮に辞任することになれば、政権への打撃は極めて大きい。

また、他の党役員も辞任することが予想され、9月にも予想される自民党役員人事や内閣改造を乗り切れるのか危惧する声も強い。石破首相としては、森山氏を慰留するのか、副総裁など別のポストで処遇するのか、石破首相としては今後も厳しい状況が続くことになる。

一方、参院選大敗の敗因として、どのような内容が盛り込まれるか。また、石破首相や党執行部の責任がどのような形で整理されるのかが焦点になる。

そして参院選の総括が9月2日にまとまれば、臨時総裁選を行うかどうか、国会議員などの意思確認に焦点が移る。今の時点では、議員の大半が態度を明確にしていないことから、選挙の実施を求める勢力が総数の過半数に達するかどうか、はっきりしない。

今後、首相の続投を支持する勢力と、首相の退陣を求める反石破勢力ともに、態度を明確にしていない議員に対して、働きかけを強めることにしている。双方の駆け引きが一段と激しくなりそうだ。

自民党内はこれまでは議員の意見集約などに力を発揮していた派閥が、麻生派を除いてすべて解散したことから、臨時総裁選の賛否がどのようになるのか見通せないのが実状だ。

 国民の自民離れ、乏しい危機感

ここまで石破政権の対応を見てきたが、これからの展開がどうなるかは、政権を支える自民党のあり方も大きく影響する。石破首相の退陣を求める議員側には、旧安倍派や旧茂木派、麻生派など派閥の関係者が関与しているためだ。

まず、石破政権は昨年の衆院選、今年の都議選、参院選でいずれも大敗し、衆参両院で過半数割れという結党以来の初の事態を招いた。こうした結果について、党の総裁が責任を取るのは当然のことだと思う。

ところが、石破首相は続投を表明している。一方、自民党内からは、首相に代わる有力候補が出てこない。意欲をのぞかせる候補者はいるが、支持が広がらない。また、「石破降ろし」を仕掛ける旧派閥幹部はいるが、擁立をめざす後継候補や政権構想も示さないので、これもまた国民の支持が広がらない。

過去の例を振り返ると参院選で大敗して退陣を表明した橋本龍太郎元首相の後継には、小渕元首相が登場した。安倍元首相は第1次政権で参院選で大敗し、数か月後には退陣し、福田康夫元首相が後継の政権を担った。

このように自民党は絶えず後継リーダーを養成しながら、危機的状況を乗り切ってきた。今回は、これまでのような有力なリーダー候補が見あたらないのが大きな特徴だ。

また、従来の自民党であれば、政権与党を取り巻く情勢が厳しい場合、党が抱える問題について大胆な対策を打ち出すなど臨機応変に対応することが多かった。

ところが、今回は国民の関心が強い「政治とカネの問題」や、停滞する経済の立て直しなどについて踏み込んだ対応は見られず、国民の不信感と失望を買っている状況だ。

こうしたことから仮に今回、石破首相が続投することになったとしても結論を先に言えば、政権が持続できるかどうかはわからない。国会は衆参両院で過半数割れしており、政権与党として主導権を発揮するのは困難だ。

首相も変わらないとすれば、野党側が協力する可能性はほとんど考えられない。現に野党幹部はそうした認識を示している。早ければ秋の臨時国会、あるいは来年の通常国会で、政権運営が行き詰まる可能性が大きいとみられる。

自民党はこの秋、結党70年の節目を迎えるが、自民党の支持率は30%ラインを割り込んでおり、特に50歳代以下の世代、支持離れが目立っている。こうした危機的状況の下では、石破首相の政治責任を明確にすることは必要だと思う。

同時に、今の自民党は政権与党として国民の支持と期待感を完全に失っているという現状認識を持ち得ていないのが一番の問題ではないかと感じる。

国民の多くは、臨時総裁選の扱いや石破首相の進退だけでなく、「自民党は政権与党としての耐用年数が切れつつある」との厳しい認識を持ち始めているのではないか。こうした国民の厳しい視線を認識して、対応策を実行に移すことが必要だと考える。

★追伸(29日22時)▲参院選の敗因などを検証している自民党の「総括委員会」は29日の会合で、総括の素案の一部を修正したうえで、9月2日の会合で総括文書をまとめ、党の両院議員総会に報告することを決めた。▲自民党の臨時総裁選挙の是非をめぐり、政府の副大臣や政務官からも早期に総裁選挙を実施すべきだという意見が出始めた。そして必要があれば、役職を辞任して実施を求めていくとしている。

★追伸(3日午前10時)自民党は2日の両院議員総会で、参院選の敗因として「物価高対策が国民に刺さらず、政治とカネの問題で信頼を喪失した」などとする総括をまとめた。▲石破首相は、選挙の敗北を陳謝したうえで「地位に恋々としがみつくものではなく、しかるべき時にきちんとした決断をする」とのべる一方、「国民がやってもらいたいと思っていることに全力を尽くす」とのべ、続投する考えを表明した。▲森山幹事長は、選挙の敗北の責任を取りたいとして幹事長を退任する意向を示し、進退伺いを提出した。石破首相は申し出を預かるとの考えを示したことから、執行部は当面、職務を続ける見通しだ。(了)

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石破首相続投表明と世論の風向き

参院選の大敗を受けて自民党の両院議員総会では、総裁選の前倒しを求める意見が相次ぎ、臨時の総裁選挙を行うかどうか総裁選管理委員会で検討を進めることになった。党内では総裁選の前倒しを通じて、石破首相へ退陣圧力を強めようとする動きが目立つ。

こうした中で、NHKの8月世論調査によると、石破首相が続投の意向を表明していることについて「賛成」が「反対」を上回った。また、自民支持層では「賛成」が7割近くを占めた。

このように自民党所属の国会議員と世論の評価が分かれたことに加えて、自民党の国会議員と自民支持層との間でも評価が異なるようにみえる。こうした理由、背景には何があるのか。また、石破首相の進退問題は今後、どのような展開になりそうなのか考えてみたい。

 続投賛成69%、反対23%自民支持層

さっそくNHKの8月の世論調査(8月9~11日実施、有効回答42%)からみていきたい。まず、石破内閣の支持率は38%で、7月調査より7ポイント上がった。不支持率は45%で、8ポイント下がった。

石破首相が参院選の敗北後、「政治空白をつくってはならない」として続投の意向を示していることについて、賛否を尋ねたところ「賛成」が49%で、「反対」の40%を上回った。

支持政党別にみると、自民党の支持層では「賛成」が69%に上り、「反対」の23%を大きく上回った。

野党支持層では「反対」が55%で、「賛成」の39%より多かった。無党派層では「賛成」と「反対」がどちらも43%で拮抗した。

年代別では、40代以下では「反対」が6割前後で「賛成」を上回ったが、50代では賛成47%、反対48%で拮抗。60代以上は「賛成」が5割から6割に達し、「反対」を上回った。

このように世論全体では、石破首相の続投について「賛成」が「反対」を上回った。また、自民支持層に限ってみると7割近くが「賛成」しているのは、どのような理由、背景があるのだろうか。

自民党関係者に聞いてみると「参院選の敗北については、石破首相の責任だけでなく、自民党自体に問題があると受け止めているのではないか。また、石破首相の退陣を求める議員には、裏金問題を起こした旧安倍派の議員や旧派閥の幹部が関与していることが影響しているのではないか」との見方をしている。

このほか、「日米関税交渉の仕上げ段階で、首相を交代させるのは望ましくない」との受け止め方や、「自民党内の主流と、非主流の権力抗争という冷めた見方が影響しているのではないか」といった見方も聞かれる。

一方、自民党の長老は「石破内閣の支持が上昇したといっても6月の水準に戻っただけだ。支持率より不支持率が上回る状況が改善されたわけではない。去年の衆院選に続いて、参院選でも大敗した政治責任が解消されるわけではない」との見方を示す。

臨時総裁選と首相進退、来月ヤマ場か

それでは、今後の展開はどのようになるのだろうか。自民党は参院選敗北の要因などの分析を続けており、最終報告がまとまるのは8月最終週になる見通しだ。

もう一つの臨時の総裁選を行うかどうかについては、この問題を扱う総裁選管理委員会の委員の欠員を補充する作業があるほか、総裁選の前倒しは初めてのケースで検討に時間がかかるため、結論が出るのは9月に入るのではないかとみられている。

一方、森山幹事長は参院選総括の報告書がまとまった段階で、自らの責任を明らかにするとしている。このため、参院選の総括と臨時総裁選の扱い、それに党執行部の責任問題に最終的な結論が出るのは、9月上旬になる見通しだ。

その場合、石破首相としても自らの政治責任や、党の執行部体制や運営方針を明らかにする必要があるため、9月上旬が当面のヤマ場になるのではないか。

その後の動きは、石破首相の進退と臨時の総裁選が行われるのかどうかによって変わってくる。仮に臨時の総裁選を行う場合でも、今回の世論調査では石破首相の続投に賛成する意見が多いことから、単なる首相の交代だけに終わっては新総裁が世論の支持を得るのは難しい。

したがって、参院選の総括では選挙戦術や体制だけでなく、主要政策の提起や、政権与党としての役割を果たせたのか、さらには積年の党の体質まで踏み込んだ分析とこれからの党再生の方向性を打ち出せるのかが問われるのではないか。

自民党はこの秋に結党70年を迎えるが、衆参両院で過半数を失ったのは結党以来、今回が初めだ。政権与党として党の態勢立て直しはできるのか、危機的状況を迎えているようにみえる。(了)

★追記(20日23時)自民党は19日、総裁選管理委員会を開き、臨時の総裁選挙について、その是非を判断する手続きの議論を始めた。臨時の総裁選挙の実施を求める議員には、書面で申し出てもらう方向で検討を進めることになった。選挙管理委員会は、24日の週にも会合を開き、書面を提出する方法や、提出した議員を公表するかどうかなどの具体的な検討を行う。そして、執行部が今月末をめどにまとめることにしている参院選の総括が終わり次第、手続きに入りたい考えだ。

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石破首相の進退、3つのポイント

参院選挙の大敗を受けて自民党は8日、両院議員総会を開き、石破首相は「アメリカとの関税交渉は合意に達したが、実行にあたりさままざまな問題を抱えている」などとして、続投の意向を重ねて示した。

これに対し、総会では総裁選の前倒しの実施を求める意見が相次ぎ、総裁選挙管理委員会で今後の対応の検討を進めることになった。石破首相の進退問題は、今後、どのような展開をたどることになるのか、探ってみたい。

 総裁選前倒しの動きは強まるか

先月28日に開かれた両院議員懇談会は4時間半に及んだが、今回の両院議員総会はおよそ2時間で終わった。石破首相と森山幹事長の挨拶の後、総会は非公開で行われ、石破首相の下で党の結束を呼びかける意見が出された一方で、総裁選挙の前倒しの実施を求める意見が相次いだ。

そして、両院議員総会には、総裁選の前倒しを決める権限がないことから、総裁選を前倒しするかどうかの判断を総裁選挙管理委員会に一任することを決めた。

総裁選の前倒しは党則第6条に規定されている。党所属議員と都道府県連の代表各1人を合わせた総数の過半数の要求があれば、総裁選を行うと定めている。事実上の総理・総裁のリコールの規定ともいわれ、石破首相の退陣を求める意味を持っている。

このため、石破首相の進退問題は、総裁選の前倒しを求める動きが強まるかどうかが第1のポイントになる。これまで総裁選前倒しは行われたことがないため、どのような方法で、議員や都道府県連代表の意思を確認するのかなどについて、逢沢一郎総裁選管理委員長の下で検討が進められることになる。

 参院選の総括と政治責任の取り方

2つ目のポイントとしては、参院選を総括する報告書がまとまった段階で、石破首相と自民党執行部が政治責任について、どのように判断するかが焦点になる。

選挙総括の報告書がまとまるのは、8月の最終週になる見通しだ。森山幹事長は報告書をとりまとめた段階で、自らの責任を明らかにするとしていることから、幹事長を辞任するものとみられる。

その場合、石破首相は党総裁としての政治責任をどのように判断するのか問われることになる。一方、仮に石破首相は続投することになった場合も、森山氏の後任に有力な幹事長を起用できるかどうかが問題になる。

さらに9月の自民党役員人事と合わせて内閣改造を行う場合、党内の協力が得られるかどうかも大きな問題になりそうだ。

石破首相が自らの政治責任と今後の政権運営についてどのような判断をするか、8月下旬以降、石破首相の進退問題が再び大きなヤマ場を迎えることになりそうだ。

少数与党、国会・政権運営の戦略

さらに石破政権と自民党は衆参ともに与党過半数割れという厳しい状況の中で、国会や政権をどのように運営していくか政権運営の展望と戦略が問われている。これが3つ目のポイントだ。

参院選の公約などを実現するため、10月には秋の臨時国会を召集することになる。衆参両院ともに与党は過半数割れしているため、補正予算案や法案を成立させるためには野党の協力なしには1件の法案、予算案も成立しない厳しい状況にある。

自公連立を維持したうえで、野党の一部に連立への参加を求めることが考えられるが、野党各党はいずれも石破政権に距離を置いており、連立の枠組みを拡大するのは難しい情勢だ。

このため、石破政権の続投で秋の臨時国会に臨むのか、それとも石破首相の退陣、新しい総理・総裁の下で難局の乗り切りをめざすのか、自民党内の動きが活発になる見通しだ。

一方、仮に石破首相が退陣し後継の新総裁を選出しても衆参ともに与党は過半数割れしているため、新総裁が必ず首相になれるとは限らない。また、国会の運営でも主導権を確保できる保証はない

報道各社の世論調査をみると参院選の自民党大敗の原因は、石破首相個人の責任というよりも自民党に問題があると考えている人が多数を占めている。このため、自民党の政党支持率も長期低迷状態が続いている。

こうした背景には、裏金問題をはじめとする「政治とカネの問題」をいつまでも引きずる”古い政党”というイメージを持たれていることがある。また、経済政策や子育て、教育、社会保障などの面でも斬新な政策は期待できないという厳しい評価が影響している。こうした点を自民党は重く受け止める必要がある。

以上3つのポイントを見てきたが、石破首相にとっては続投の道は極めて狭く、険しいことがわかる。一方、自民党内も非主流・反主流の立場の議員が自らの復権をねらって党内抗争を仕掛けるような場面が出てくると国民から完全に見放されることになるだろう。

今年秋には結党70年を迎える自民党が石破政権が党の立て直しに向けて、どのような対応、方針で臨むのか、8月末に向けた動きをじっくり見極めたい。(了)

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”首相続投”対”早期退陣”対立深まる自民党

参院選挙で大敗した自民党は28日午後、自民党本部で両院議員懇談会を開いた。冒頭、石破首相は参院選挙の結果について陳謝したあと、「アメリカの関税措置をめぐる日米合意を着実に実行し、責任を果たしていきたい」と訴え、続投に理解を求めた。

これに対して、出席者からは続投を支持する意見が出された一方、「去年の衆院選に続いて、参院選でも大敗した責任を明らかにすべきだ」などとして、早期退陣を迫る意見が相次いだ。午後3時半に始まった懇談会は、予定時間を大幅に上回り、4時間半に及んだ。

両院議員懇談会終了後、石破首相は記者団に「果たすべき責任を果たしていきたい」とのべ、重ねて続投に意欲を示した。退陣を求める議員側も、党の正式な機関である両院議員総会の開催を求め、石破首相の退陣を迫る構えで、双方の対立は一段と深まった。

一方、報道各社の世論調査で、石破首相は参院選挙の責任をとって「辞めるべきだ」という意見と「辞める必要はない」とする意見が拮抗していることも明らかになった。こうした世論の反応をどのようにみたらいいのか、自民党内の対立はどのような展開になるのか、考えてみたい。

議員懇談会64人が発言、退陣論噴出

両院議員懇談会からみていくと石破首相と森山幹事長の挨拶のあと、懇談会は非公開で行われた。自民党所属議員の236人が出席し、このうち64人が発言した。

出席した議員の話によると「発言した64人のうち、続投を求めた議員は7人か、8人程度で、退陣を求めた議員は20数人に上った」と話しており、石破首相の責任の明確化や退陣を求める意見が噴出したというのが実態に近いようだ。

具体的な意見としては「選挙の結果責任は、誰かが取らなければいけない。組織のトップや執行部がケジメをつけるべきだ」「去年の衆議院選挙、6月の東京都議会議員選挙、参議院選挙でも大敗となった。組織の長、執行部にはケジメをつけてもらいたい」、「いつケジメをつけるのか、早く示してもらいたい」などの意見が相次いだとされる。

「辞任」「必要ない」分かれる世論

世論は、石破首相の進退をどのように考えているのだろうか。報道各社が26、27両日に行った世論調査によると◆朝日新聞では「辞めるべきだ」が41%に対し、「その必要はない」が47%で上回った。自民支持層だけに限ると「辞めるべきだ」が22%で、「その必要がない」が70%と多数を占めるという。

◆毎日新聞では「辞任すべきだ」42%、「必要ない」33%、◆産経新聞では「辞めるべきだ」47.7%、「必要ない」44.2%となった。社によって数字に違いはあるが、「辞めるべきだ」と「必要ない」が拮抗している点で共通している。

各社の世論調査では石破内閣の支持率は30%前後に対し、不支持率は60%と圧倒的に多数を占めている。だが、首相の進退については「辞任の必要はない」とする意見がかなり多いのはどうしてなのだろうか。

こうした結果になった理由について、調査では質問した項目はないが、幾つかの要因が考えられる。まず、今回の参院選挙結果の敗因は、石破首相個人の問題だけでなく、自民党全体に問題があると捉えていることが考えられる。

あるいは、日米関税交渉が合意にこぎ着けたばかりで、詰めの話し合いも予想される中で、退陣を急いで行う必要はあるのかとの見方も予想される。

もう1つは、退陣を求めている側に旧茂木派や旧安倍派、麻生派の議員が目立つことから、世論の側は裏金問題や権力闘争絡みの動きではないかとみて、不信感や疑念を抱いていることが影響していることが考えられる。

さらに、政権が交代する場合、次のリーダーや勢力に信頼を置くことができるのかどうか見定めたいという考えがあるのではないか。

いずれにしても世論の側には「政党や政権は、顔を代えるだけでは不十分で、リーダーを含めた政治勢力としての能力、資質、主要な政策などをじっくり判断したい」という姿勢が世論調査から読み取れる。

石破首相進退、8月下旬がヤマ場か

それでは、今後の展開はどのようになるのだろうか。森山幹事長は懇談会の冒頭に「選挙結果を踏まえ『参議院選挙総括委員会』を設置し、8月中をメドに報告書をとりまとめたい。まとまった段階で、幹事長としての自らの責任を明らかにしたい」との考えを示した。

森山幹事長は懇談会終了後、記者団に対し「両院議員総会については、29日の役員会で、開催する方向で協議したい」との考えを示した。

また、選挙の総括の報告書をとりまとめた後の責任には進退が含まれるのかとの質問に対し「そういうことを含むと考えている。党内には幹事長が責任をとれという意見があり、真摯に耳を傾けないといけない」とのべた。

この森山幹事長の発言は、選挙総括の報告書がまとまった段階で、自ら辞任する考えを示したものとみられる。

そこで、石破首相の進退問題はどうなるか。石破首相は続投に意欲を示しているものの、去年の衆院選に続いて、参院選でも与党が過半数割れしたことから、今の自民党の状況からすると、石破首相が政治責任を取る形になるのは避けられないのではないか。

8月は、1日からの臨時国会の召集や、広島、長崎原爆の日、終戦記念日の行事など重要な政治日程が続く。それに加えて、参院選の総括の報告書がまとまるとみられる8月下旬には、森山幹事長だけなく、石破首相の決断も迫られる可能性が大きいとみられる。

一方、総理・総裁が責任をとって辞任する場合も、自民党はこれまでと同じように首相の顔を取り替えれば、いずれ世論の支持が回復するような時代ではなくなっていることを認識する必要がある。既に衆参ともに多数派からは転落しているからだ。世論の視線も一段と厳しさを増している。

自民党は、世論の評価が厳しい「政治とカネの問題」など懸案の対応、日米関税合意への取り組み、物価高騰対策と日本経済の新たな成長戦略などを提示できない場合は、政権与党の座から滑り落ちるおそれがあるという危機感が今も乏しいのではないか。

先の参院選を受けて自民党が党の再生に向けて本格的に動き出すのか、それとも党内抗争を繰り返すことになるのかどうか、8月末にかけての動きを注視していきたい。

★追記(7月29日22時)自民党は29日の役員会で、参院選挙の敗北を受けて党内から開催を求める意見が出ていた「両院議員総会」を開くことを決めた。党執行部は8月第2週の後半にも開催する方向で調整を進めている。「両院議員総会」は、28日の両院議員懇談会とは異なり、党の正式な意思決定機関。党の運営や国会活動における特に重要な事項を審議、決定するとされている。石破首相の早期退陣を訴える議員らは、この場で石破首相の政治責任を取り上げて、退陣につなげたい考えだ。石破首相は記者団に「丁寧に真摯に、逃げずに説明するということに尽きる」とのべた。

★追記(7月31日22時)自民党は31日、参院選挙の敗北を分析する総括委員会の初会合を開き、選挙公約やSNSの活用を含む広報のあり方などについて検証したうえで、8月中に報告書をまとめる方針を確認した。一方、8月8日午後2時半から党本部で、「両院議員総会」を開くことを党所属議員に通知した。議題については「参議院選挙の総括と今後の党運営」としている。(了)

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参院選自公大敗、石破首相続投表明も政局流動化へ

20日投票が行われた第27回参議院選挙で自民・公明両党は、議席数を大幅に減らして大敗した。与党は衆議院に続いて、参議院でも過半数を維持できないことになった。自民党を中心とする政権が衆参両院で過半数割れするのは、1955年の結党以来初めての事態になる。

野党側は第1党の立憲民主党と、日本維新の会はそれぞれ改選議席を維持、または上回る議席を得たが、伸び悩んだ。これに対し、国民民主党と参政党は大幅に議席を増やして躍進した。

こうした中で石破首相は21日午後、自民党総裁として記者会見し「今、最も大切なことは国政に停滞を招かないことだ」として、首相を続投する意向を正式に表明した。

これに対して、自民党内には「党の総裁として政治責任を取るべきだ」として退陣を求める声が出始めている。参院選の結果をどのように見るか、参院選挙後の政治はどのように展開することになるのか探ってみたい。

 与党過半数割れ、政権不信が直撃

さっそく、今回の参議院選挙の結果をどのように評価するか、与党からみていきたい。自民党は選挙区で27、比例代表で12の合わせて39議席となった。この議席数は1989年宇野政権の36議席、第1次安倍政権の37議席に次ぐ3番目の少なさだ。

参院選の勝敗は、1人区の攻防がカギを握っている。自民党はこの1人区で圧倒的な強さを発揮してきたが、今回自民党は14勝18敗に終わった。3年前の参院選は28勝4敗だったので、勝ちが半分に落ち込んだ。

政党の勢いが反映する比例代表選挙をみると今回の12議席は、野党に転じた2010年と同じ過去最低の議席数だ。得票数は1280万票で、前回選挙から546万票も減らした。

敗因については、最大の焦点になった物価高騰対策で、コメの高騰が去年の夏以降続いたのに対応が終始、後手に回った。1人当たり2万円の現金給付も打ち出したが、国民に選挙目当てと見透かされて評価は極めて低かった。

また、先の通常国会では、懸案の企業団体献金が先送りになったほか、トランプ関税に対する日米交渉でも思うような成果が出せず、説明も行われなかった。石破政権に対応能力はあるのか、自民党は耐久年数が過ぎてしまったのではないかと国民の不満、不信が政権与党を直撃したことが敗因になったのではないか。

自民党の長老は「去年の衆議院選挙の総括、反省がなされてこなかったのではないか。これでは、国民の信頼を信頼を得るのは難しく選挙には勝てない」と厳しい評価をしている。

公明党は選挙区、比例代表ともに4議席ずつの8議席に止まった。改選は14議席だったので、6議席も減らしたことになり、過去最低の議席数となった。

自公連立政権が発足してから四半世紀になる。両党とも政権運営がマンネリ化しており、主要な課題を解決していく意思と能力があるのか、厳しく評価されたのが今回の選挙だったように思う。

 野党は多党化、躍進・退潮の明暗も

これに対して、野党の選挙結果はどうか。野党第1党の立憲民主党は、選挙区が15、比例代表が7の合わせて22議席を獲得した。1人区を中心に反自民票の一定の受け皿にはなったが、獲得議席は改選議席と同数に止まった。

日本維新の会は、選挙区が3、比例代表4の合わせて7議席で、改選議席を2つ上回った。だが、前回の比例代表では8議席を獲得したことを考えると半減し伸び悩んだ。

これに対して、国民民主党は選挙区10、比例代表7の合わせて17議席で、改選議席を4倍以上も増やした。比例代表の得票数でも762万票、前回から2.4倍も増やした。参院候補者の選考などをめぐって一時の勢いを失ったが、「手取りを増やす」という主張が若い年代を中心に支持を広げた。

参政党も選挙区、比例代表ともに7議席ずつの合わせて14議席を獲得した。改選議席1から、一気に大幅に議席を増やした。比例代表でも745万票を獲得し、立民を上回った。

参政党は「日本人ファースト」を掲げ、20代、30代の若い世代の他、40代から60代の中高年まで支持を広げたことが世論調査で読み取れる。自民党支持層にも食い込んで支持を広げており、こうした傾向が持続するのかどうか注目される。

れいわは3議席を獲得、改選議席2から増やした。共産党は3議席で、改選議席7から大きく減らした。日本保守党は2議席、社民党は1議席、「チームみらい」も1議席を獲得した。

このように野党については、立憲民主党は改選議席を確保したものの、多党化が進んでいる。また、躍進した政党がある一方、議席減や伸び悩みの政党もあり、野党の足並みがそろうのは容易ではないのも事実だ。

石破政権の不安定化、自民党内政局も

参院選挙の結果を受けて、石破首相は21日の記者会見で「極めて厳しい審判をいただいた。有意な同志が議席を失い痛恨の極みだ」とのべる一方、「比較第1党としての責任、国家・国民の皆さまに対する責任を果たしていかなければならない」とのべ、首相を続投する意向を正式に表明した。

また、石破首相は執行部の責任について「みんなで全身全霊、対応してきた」として、執行部を続投させる考えを示した。

さらに、今後の政権運営について「連立の枠組みを拡大する考えを持っているわけではない」とのべるとともに衆参両院で少数与党になる中で、政策ごとに合意形成を図っていく考えを強調した。

これに対して、自民党内からは「去年の衆院選挙で敗北、6月の都議選で過去最低の議席、さらに参院選敗北の3連敗では、首相の政治責任を問わざるを得ない」として、石破首相の退陣を求める声が出始めている。

一方で、アメリカ政府が対日関税25%を課す期限を8月1日に設定していることや、終戦記念日関連の行事も抱えており、首相交代を求めるのは難しいとの声も聞く。

石破首相は「両院議員懇談会などの機会を設け、国会議員だけでなく、地方組織の声も丁寧に対応していく」との考えを示し、党内を説得する構えだ。

こうした石破首相の対応について、自民党の長老に聞いてみると「選挙で敗北した以上、総理・総裁は出処進退を明らかにするのが筋だ。首相自ら非改選を含め与党で過半数確保を表明した以上、けじめをつけた方がいい」と指摘する。

また、「首相がこのまま続投した場合、次の衆院選でも敗北を続けることになりかねない。いったん区切りをつけて、党のあり方や政権構想などを練り直した方がよい」との考えを示している。

自民党執行部は今月31日に両院議員懇談会を開き、党所属議員から意見を聞くことにしているが、党内では今後、国会議員や地方組織などから、石破首相の政治責任を問う動きが強まることが予想される。”自民党内政局”がこれから始まり、政局は流動化してくる見通しだ。

一方、野党側の幹部からは、石破首相から連立の枠組みへの参加を求められても応じる考えはないとする考えが示されている。立憲民主党の野田代表は「民意は石破首相にノーという審判を示した。続投の意思表明にしては説得力がなさ過ぎる」と批判し、石破政権と対峙していく考えを表明した。

野党各党にとっても石破政権とこれまでと同じように個別の政策協議に応じていくのか、野党内の連携を深めて政権と対峙していくのか問われることになる。また、野党側は衆参両院で多数を占めることになったので、主要政策や国会運営などについても責任ある対応を求められる。

参院選を受けて議長などを決める臨時国会が8月1日にも召集される見通しだ。衆参両院で多数を占める野党側の要求で、物価高対策などをめぐって石破首相と与野党の論戦が交わされることも予想される。

内外情勢が激動する中で、石破政権と与野党は日本が抱える主要課題について、どのような方針で臨むのか、国民の不安を払拭できるような突っ込んだ議論と対応を強く注文しておきたい。

★追記(23日22時)◆石破首相は23日午前、首相官邸で記者団に対し、アメリカの関税措置について、トランプ大統領との間で合意に至ったことを明らかにした。相互関税を25%から15%に引き下げるとともに、自動車関税についても既存の税率を含めて15%とすることで合意したと説明した。そのうえで「対米貿易黒字を抱える国の中で、最も低い数字となる」と成果を強調した。                 ◆石破首相は23日午後、自民党本部で、麻生最高顧問、菅副総裁、岸田前首相の首相経験者と会談した。この後、石破首相は記者団に「一部の辞任報道は事実でない」と否定したうえで、続投する考えを重ねて示した。自民党は、参院選挙の敗北を受けて、党所属議員から意見を聞く「両院議員懇談会」を今月28日に前倒しして開くことになった。自民党の中堅議員や地方県連からは、石破首相の退陣や執行部の刷新を求める意見が相次いで出されている。(了)

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”自民苦境、与党過半数困難な情勢”2025参院選

参議院選挙は20日の投開票日に向けて、各党とも最後の追い込みに入っている。ここまでの選挙情勢をみると自民党は選挙区だけでなく、比例代表でも勢いがみられず、苦しい戦いに追い込まれている。公明党も複数区で競り合いが続いており、改選議席の確保は厳しい情勢だ。

これに対して、野党側は立憲民主党が手堅い戦いを続けているほか、国民民主党と参政党の動きが活発で、特に参政党は支持率で第3位に急浮上するなど台風の目になっている。

こうした結果、自民、公明の与党が非改選を含め過半数を確保するのは難しい情勢になっている。最終盤に入った参院選情勢を報告したい。

 自民支持率大幅減、参政党が侵食

参議院選挙について、NHKが1週間おきに行っているトレンド調査の第3回調査結果(11~13日実施)がまとまったので、そのデータからみていきたい。

自民党の支持率は24.0%で、1週間前の第2回調査から4.1%下がった。1週間ごとに行うトレンド調査で、4ポイント余りも支持率が下落するのは異例で、自民党を取り巻く情勢の厳しさが鮮明になった。

自民党の支持率は6月月例調査(6月6~8日実施)で31.6%で、続くトレンド調査の第1回(6月27日~29日実施)で27.0%、第2回(7月4~6日実施)で28.1%だった。今回24.0%だったので、この1か月余りで7.6Pも下落したことになる。

一方、公明党の支持率は3.5%で、第1回調査の3.8%からほぼ横ばい状態が続いている。但し、前回・3年前の参院選での同時期は4.8%だったので、当時と比較すると低下している。

これに対して、野党各党のうち立憲民主党は7.8%で、前回調査とほぼ同じ水準を保っている。日本維新の会は3.1%で、前回調査から0.8P上がっている。

一方、国民民主党は4.9%で、トレンド調査第1回の5.8%から低下しているが、3年前の参院選当時は1.4%だったので、大幅に支持率を伸ばしている。

参政党は今回5.9%で、維新や公明、国民民主党を上回り第3位に急浮上した。6月月例調査で1.9%、トレンド調査第1回で3.1%、第2回で4.2%、そして今回第3回が5.9%なので、短期間のうちに支持率が急拡大したことがわかる。

参政党の支持層を年代別にみるとトレンド調査の第1回と第2回目までは、18歳以上を含む20代と、30代の若い年代の支持が目立った。第3回調査になると30代では国民民主党と並んで10.3%を占めて1位、40代では8.0%の3位、50代では10.2%で自民党に次いで2位、60代では5.8%で3位を占めている。

このように参政党の支持層は選挙の序盤では若い年代が主流だったのが、中盤からは40代以上の中高年に支持が広がっている。一方、自民党の支持層をみると同じ中高年世代では支持率が低下している。つまり参政党は、中高年世代を中心に自民党の支持層を侵食していることが読み取れる。

このほか、共産党は3.0%で前回調査からほぼ横ばいの状態にある。れいわ新選組も2.8%でほぼ横ばいだ。日本保守党は1.4%、社民党は0.7%となっている。

自公苦境、与党過半数は困難な情勢

それでは、以上のような各党の党勢を踏まえたうえで、選挙での獲得議席はどうなるだろうか。与野党の関係者の情報を総合すると次のような情勢が浮かび上がってくる。

自民党は、前回・3年前の比例代表選挙では18議席を獲得したが、今回は大幅に議席を減らす見通しだ。過去最も少なかった12議席前後まで落ち込む見通しだ。選挙区選挙のうち、2人以上の6人区までの複数区では13前後確保する見通しだが、これまで強みを発揮してきた1人区では厳しい情勢に追い込まれている。

全国で32ある1人区について、自民党は序盤戦では10程度の選挙区で優位に戦いを進めていたが、中盤になると接戦に持ち込まれる選挙区も出ている。最終的には、二けたの議席を確保できるかどうかという苦境に立たされている。

公明党はこれまで選挙区、比例代表ともに全員当選を続けることが多かったが、今回は比例代表の改選議席7を維持することは難しく、選挙区でも東京以外では厳しい戦いを強いられている。改選議席14の確保は難しい情勢だ。

自民、公明両党は、非改選を含め与党で過半数を確保するためには50議席が必要だが、今の選挙情勢が続けば、自民党は30台半ば、公明党は10議席前後に止まる見通しだ。このため、与党で50以上の議席を確保するのは難しい情勢にある。

 立民は堅調、国民・参政は躍進か

野党側の情勢は、どうだろうか。野党第1党の立憲民主党は、1人区や複数区では反自民票の受け皿となっている。一方、比例代表については支持の広がりがみられず、伸び悩んでいる。このため、改選議席の22から一定程度上積みし、20台後半の議席を獲得する見通しだ。

国民民主党と参政党は、大幅に議席を増やす見通しだ。このうち、国民民主党は3年前の参院選当時の支持率は1.4%程度だったが、今回は5%前後まで支持を広げている。比例代表で7議席前後、選挙区でも2ケタに近い議席獲得が見込めることから、目標の16議席前後まで議席を増やし躍進する可能性がある。

参政党は先の党勢でみたように投票日1週間前のトレンド調査では、自民、立民に次ぐ第3位まで支持率を伸ばしている。選挙区では、東京で議席獲得が有力になっているほか、大阪、埼玉など大都市圏で議席を獲得する可能性がある。

また、比例代表では8議席前後、獲得する可能性がある。そうすると参政党は比例代表と選挙区とを合わせると2ケタ、10前後の議席を獲得することも予想される。参政党も今の情勢を投票日まで維持できれば、躍進する可能性がある。

日本維新の会は、大阪・関西以外では支持が広がっておらず、改選の5議席をわずかに上回る程度に止まる見通しだ。共産党は改選の7議席を割り込む可能性がある。

れいわは改選議席が2だが、支持率は2.8%を確保しており、改選議席を上回る議席を獲得する見通しだ。保守党、社民党も議席を獲得する公算が大きい。

このように野党側は、立憲民主党が堅調なほか、国民民主党と参政党が大幅に議席を増やして躍進するのをはじめ、れいわが議席を増やすなど多党化が進むことになる見通しだ。

 高い投票意欲、投票率は上がるか

最後に投票率がどのようになるか、選挙結果にも影響を及ぼすので、見ておきたい。

NHKトレンド調査第3回によると今回の参院選に「必ず行く」と答えた人は48%、「期日前投票をした」16%を合わせると64%で、3年前の参院選の同時期に比べて5ポイント上回っている。

3年前と比べると年代別では、18歳以上と20代で15ポイント、30代で21ポイントもそれぞれ上がっており、若い世代で投票意欲が高いのが大きな特徴だ。

前回3年前の1週間前調査では「必ず行く」と「期日前投票した」が59%で、実際の投票率は52.05%だった。投票率は天候など様々な要因が絡むので、予測は難しいのだが、素直に読むと投票率は前回より上がるのではないかとみている。

投票率が上がる場合は、どの年代が多く投票したのか、それによって選挙結果にどのような変化が現れるのか、投票率を注目している。

去年の衆院選では与党が過半数を下回る結果になったが、今回の参院選はどのような審判が示されることになるのかが大きな焦点だ。有権者が投票に当たって、政策面の争点だけでなく、選挙情勢、選挙の勝敗面の予測も判断材料にしたいとの声を聞くので、毎回、議席予測を提供している。

今回の予測が当たるかどうかは別にして内外激動、日本の進路が問われる中で、できるだけ多くの皆さんが投票に参加し、賢明な選択が行われることを願っています。選挙後には有権者は何を選択したか、選挙後の政治の動きも取り上げる予定です。(了)

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